蕗の薹(ふきのとう)を揚げる時は、衣を多少濃いめに溶きます。
葉物、舞茸、大葉といった、衣がつきにくいそれ自体が薄い食材の場合は、濃いめに溶いた衣をつけて油の中に入れ、揺すりながらその衣を油の中で落としていくと、サクッとした薄衣に仕上がります。
蕗の薹は、昨今では栽培物もたくさん出回っているのでそれでもいいのですが、やはり天然物の春らしく鮮烈な良い香りと心地よい苦味には勝てないように思います。
今回は京都大原の天然物を使っています。
春に苦いものを食べるのは、冬の間眠っていた体を苦味が起こしてデトックスしてくれるからだと昔からいわれています。
ちなみに、夏は、体を冷やしてくれる豆類や茄子やオクラといった地面より上に生るもの。
冬は、体を温めてくれる芋類や根菜類など地面の下で育つものを食べるといいとされています。
日本人には季節のものが体に合っているので、旬のものを食べるというのは理にかなっているのですね。