海苔も大葉も使わないで雲丹に直接衣をつけて揚げる、当店オリジナルの天ぷらです。
最初は雲丹を海苔で巻いて揚げていたのですが、海苔が噛みきれなかったり、揚げた海苔と雲丹の食感のバランスが悪かったりして、これは違うなと思っていたんです。
それで、何かで巻かずに雲丹だけを天ぷらにできないかなと考え試行錯誤して完成したのがこちらです。
実家が岩手の魚屋で、気仙沼で仕入れた雲丹を扱っていました。
その雲丹を鮑の貝殻に詰めて焼いた、焼き雲丹を小さい頃から食べて育ったので、加熱した雲丹の美味しさが昔からとても好きでした。
天ぷらでそれを再現したいと思いました。
雲丹がバラバラにならないように揚げるのがとても難しくて、きれいにできるようになるまでものすごく練習をしました。
その時期その時期で、一番美味しい産地の雲丹を使います。
雲丹は特に天ぷらのタネにしなくてもいい食材ではあります。
その雲丹にあえて火を通すので、生より美味しくならないと意味がないと思っています。
多分うちにしかない、雲丹の味だけを楽しんでいただける天ぷらです。