煮魚の煮汁の基本の割合は、水5、酒1、濃口醤油1、みりん1、砂糖0.5〜1です。砂糖の分量を調整することで、自分好みの味になります。店では作ってすぐにお出しするので、砂糖を少々多めにして少し濃い味に仕上げています。
脂が多い魚は砂糖を多めにして煮詰め、濃い味付けの煮汁にしてこっくりと煮ます。鯛やカレイのように淡白な魚は、あっさりとした味付けでさっと煮ます。
お店では通常、北海道網走産のキンキを使います。釣ったものと網で獲ったものがありますが、やはり釣りのものは味が良くておすすめです。キンキは本物とよく似ている外国産の別物がありますが、背びれに黒い部分があるかないかで見分けます。外国産は、サイズが大きいものが多くて脂がしつこいので、日本人の味覚にはあまり合わないかなと思います。
魚の煮付けは、タレと一緒に魚を美味しく食べる料理なので、タレに魚の旨みが滲み出るように調理します。そのためには、1本だけ煮るよりも3本くらいを一緒に煮た方が、より旨みのある深い味わいになります。