アル・ケッチァーノの開店以来作っている、庄内食材で作るアクアパッツァです。庄内地方は海と山がとても近い土地なので、庄内浜の魚と庄内の野菜の味の共鳴を目指しました。
イタリアでは基本的に、アクアパッツァやミネストローネを作る際は硬水を使います。でもアル・ケッチァーノでは、軟水である月山の天然水を使います。店で使う魚介はすべて月山水系が流れ込む庄内浜で獲れたもの。これらの魚介を月山の天然水で調理すれば、同じテロワールの食材同士が土台のところできちっとまとまり、より調和が取れた美味しい味を創り出せるからです。
日本海側で発掘される縄文式土器の中からは、貝とナッツと魚と植物の化石がたくさん発見されています。これぞアクアパッツの原形! そう思ってこのレシピを考えました。
庄内の食材は味が濃いので、ソースはクリアな感じを大切にしています。バジルではなくルッコラを使うのは、ルッコラは胡麻の香りがするため日本人が好きな胡麻和えと味の輪郭が似てくるからです。日本人なら誰が食べて美味しいと感じる味です。